更新日付: 2004 年 5 月 26 日 |
Sun[tm] Studio 9: 統合開発環境 (IDE) Readme |
目次
- はじめに
- Sun Studio 9 IDE について
- 新規および変更された機能
- サポートされているソースコード管理ソフトウェア
- Sun Studio 9 ソフトウェアのコンポーネント
- クライアント/サーバー環境で IDE が正しく動作しない場合の対処法
- IDE がコアプラットフォームを検出できない場合の対処法
- IDE が適切な J2SE テクノロジを検出できない場合の対処法
- IDE の起動
- 問題点と回避策
- 制限事項と互換性の問題
A. はじめに
この文書には、Sun Studio 9 統合開発環境 (IDE) の使用方法に関する情報が記載されています。
製品マニュアル
- リリースノート (Solaris プラットフォーム) : http://docs.sun.com から入手可能です。リリースノートの情報は、すべての README ファイルの情報を更新および補足します。
- リリースノート (Linux プラットフォーム) : http://docs.sun.com から入手可能です。リリースノートの情報は、すべての README ファイルの情報を更新および補足します。
- Sun Studio 9 のドキュメント :/installation_directory/docs/ja/index.html からは、製品のマニュアルページ、README の HTML バージョン、およびマニュアル~にアクセスできます。Solaris でのデフォルトの installation_directory は /opt/SUNWspro です。Linux でのデフォルトの installation_directory は /opt/sun/sunstudio9 です。
- IDE のドキュメント : IDE の「ヘルプ」メニューからは、Sun Studio 9 IDE のすべてのコンポーネントに関するオンラインヘルプにアクセスできます。
- 開発者向けリソースのポータル : 技術資料、サンプルコード、ドキュメント、ナレッジベースについては、開発者向けポータルの http://developers.sun.com/prodtech/cc を参照してください。
B. Sun Studio 9 IDE について
Sun Studio 9 IDE には、C や C++、Fortran アプリケーションを作成、編集、構築、デバッグ、パフォーマンス解析するためのモジュールが用意されています。また、JNI (Java[tm] Native Interface) 開発に必要な場合に有効にすることができる基本的な Java[tm] 言語サポートモジュール群も含まれています。
このリリースの IDE は、次のプラットフォームで利用できます。
- Solaris[tm] オペレーティングシステム:
- SPARC® プラットフォーム版のバージョン 8、9、10
- x86 プラットフォーム版のバージョン 8、9、10
Linux オペレーティングシステム:
- Sun[tm] Java Desktop System, 2003
- SuSE Linux Enterprise Server 8
- RedHat Enterprise Linux 3
C. 新規および変更された機能
ここでは、このリリースで IDE に新たに追加された機能と変更された機能を説明します。
Sun Studio 9 IDE で新しく追加された、または変更された機能は次のとおりです。
- ss_attach - プロセスの実行後に dbx デバッガを接続するのではなく、プログラムの実行開始とともにプログラムを捕捉し、dbx デバッガを接続してただちにデバッグを開始できます。
- ソースエディタの「クイックブラウズ」コンボボックス - ソースファイルのクラスメソッドや関数、#define、その他要素に簡単に移動できます。
gcc や g++ コンパイラでコンパイルされたプログラム、あるいは Linux プラットフォームで動作するプログラムの場合、dbx デバッガの一部機能は利用できません。詳細は、制限事項と互換性の問題を参照してください。
Solaris プラットフォーム版のその他の Sun Studio 9 コンポーネントについては、http://docs.sun.com から入手可能な『Sun Studio 9 の新機能』を参照してください。
D. サポートされているソースコード管理ソフトウェア
Sun Studio 9 IDE では、次のソースコード管理ソフトウェアをサポートしています。
- CVS 1.11
- ClearCase V2002 u2
- PVCS 6.7.00
E. Sun Studio ソフトウェアのコンポーネント
Sun Studio[tm] 9 ソフトウェアは、次の 2 つの主要コンポーネントに分けられます。
- IDE、コンパイラ (Solaris プラットフォーム版のみ)、ツール、コアプラットフォームなどの Sun Studio コンポーネント
- コアプラットフォームの土台となる Java 2 Platform, Standard Edition (J2SE) v 1.4.2_02 テクノロジ
デフォルトでは、Sun Studio 9 コンポーネントは、Solaris プラットフォームの場合 /opt/SUNWspro ディレクトリ、Linux プラットフォームの場合 /opt/sun/sunstudio9 ディレクトリにインストールされます。ただし、インストールするときに別の場所を指定することもできます。
デフォルトでは、コアプラットフォームは、Solaris プラットフォームの場合 /opt/netbeans/3.5M ディレクトリ、Linux プラットフォームの場合 /opt/sun/netbeans/3.5M ディレクトリにインストールされます。ただし、インストールするときに別の場所を指定することもできます。
Solaris プラットフォームの場合、デフォルトでは、J2SE 1.4.2_02 テクノロジは /usr/jdk/j2sdk1.4.2_02 ディレクトリにインストールされますが、/usr 内の別のディレクトリを指定してインストールすることもできます。Linux プラットフォームの場合、デフォルトでは、/usr/java/j2sdk1.4.2_02 ディレクトリにインストールされますが、/usr 内の別のディレクトリを指定してインストールすることもできます。
IDE が正しく動作するかどうかは、IDE がコアプラットフォームを検出できるかどうか、またコアプラットフォームが J2SE テクノロジを検出できるかどうかに依存します。
F. クライアント / サーバー環境で IDE が正しく動作しない場合の対処法
Sun Studio 9 ソフトウェアはサーバーにインストールすることができます。IDE およびコアプラットフォームがクライアントシステムにインストールされていない場合、クライアントシステムから IDE を起動したときに IDE がコアプラットフォームを検出できるようにするには、IDE およびコアプラットフォームを含むディレクトリをサーバーからマウントする必要があります。
便宜上、IDE およびコアプラットフォームは同じベースディレクトリにインストールされるため、両方に対してクライアントシステム上で単一のマウントポイントを使用することができます。
注: クライアントシステム上のマウントポイントがデフォルトの /opt ディレクトリの場合、クライアントシステムにインストールされている他のソフトウェアが隠されることがあります。その場合は、/opt ディレクトリはマウントしないでください。代わりに、Solaris プラットフォームの場合は、/opt/SUNWspro ディレクトリと /opt/netbeans ディレクトリを別々にマウントしてください。Linux プラットフォームの場合は、/opt/sun/sunstudio9 ディレクトリと /opt/sun/netbeans ディレクトリを別々にマウントします。
G. IDE がコアプラットフォームを検出できない場合の対処法
IDE を起動する sunstudio コマンドは、コアプラットフォームを探す際に 2 つの場所を検索します。
- 最初に探すのはデフォルトのインストールディレクトリで、Solaris プラットフォームでは /opt/netbeans/3.5M、Linux プラットフォームでは /opt/sun/netbeans/3.5M です。
- デフォルトのこのディレクトリでコアプラットフォームが見つからない場合は、IDE とコアプラットフォームが同じ場所にインストールされているか、あるいはそれらを含むディレクトリが同じ場所にマウントされているとみなします。たとえば Solaris プラットフォームの場合、IDE を含むディレクトリのパスが /foo/SUNWspro であれば、/foo/netbeans/3.5M にコアプラットフォームがないかどうかを調べます。Linux プラットフォームの場合、IDE を含むディレクトリのパスが /foo/sunstudio9 であれば、/foo/netbeans/3.5M にコアプラットフォームがないかどうかを調べます。
コアプラットフォームが sunstudio コマンドが検索する場所のどちらにもインストールされていないか、マウントされていない場合、クライアントシステムのユーザーは各自、コアプラットフォームがインストールされているか、マウントされている場所 (installation_directory/netbeans/3.5M) を環境変数 SPRO_NETBEANS_HOME に設定する必要があります。
Solaris プラットフォームの場合、Forte Developer ソフトウェアか Sun ONE Studio ソフトウェア、あるいは Sun Studio ソフトウェアの他のリリースが存在する場合、IDE ユーザーはまた、各自の $PATHのそのパスの前に installation_directory/SUNWspro/bin を追加する必要があります。Linux プラットフォームの場合は、各自のパスの Sun Studio ソフトウェアの他のリリースへのパスの前に /installation_directory/sunstudio9/bin を追加する必要があります。
注: ユーザーの $PATH にパス /installation_directory/netbeans/3.5M/bin を追加しないでください。
H. IDE が適切な J2SE テクノロジを検出できない場合の対処法
IDE には、J2SE 1.4.2_02 テクノロジが必要です。すべてのクライアントシステムが、以下のいずれかの条件を満たしている必要があります。
- J2SE 1.4.2_02 テクノロジがシステムにインストールされている。
- J2SE 1.4.2_02 テクノロジがインストールされているパスにネットワークからアクセスできる。
適切な J2SE 1.4.2_02 テクノロジがローカルシステムの標準の場所にインストールされているか、あるいはそのパスが自分の $PATH に設定されているかどうかを確認するには、以下を入力します。
checkjavacheckjava コマンドが適切な J2SE テクノロジを検出すると、以下のように表示されます。
Using J2SDK version <バージョン> from <パス>この出力があった場合は、必要な J2SE にシステムがアクセスできるということであり、IDE は J2SE を検出します。
適切な J2SE テクノロジが検出されなかった場合は、コマンドの出力は以下のように表示されます。
Could not find valid J2SDK in $PATH or in a standard locationこの場合は、いくつか選択肢があります。
- 製品に付属する J2SE 1.4.2_02 テクノロジをローカルシステムにインストールする。方法については、インストールガイドを参照してください。
- ネットワーク上にインストールされている J2SE 1.4.2_02 テクノロジのパスをシステム管理者に確認する。パスが確認できたら、以下を行います。
- ネットワーク上の J2SE 1.4.2_02 テクノロジのパスを $PATH に追加します。
- sunstudio コマンドに --jdkhome オプションを使用して、ネットワーク上の J2SE 1.4.2_02 のパスを指定します。詳細は、sunstudio(1) のマニュアルページを参照してください。(sunstudio(1) のマニュアルページを表示するには、Solaris プラットフォームの場合は /installation_directory/man、Linux プラットフォームの場合は /installation_directory/sunstudio9/man が $MANPATH に設定されている必要があります。)
- JDK_HOME 環境変数にネットワーク上の J2SE 1.4.2_02 のパスを設定します。
I. IDE の起動
IDE を起動するコマンドは、sunstudio です。このコマンドの詳細は、sunstudio(1) のマニュアルページを参照してください。(sunstudio(1) のマニュアルページを表示するには、Solaris プラットフォームの場合は /installation_directory/man、Linux プラットフォームの場合は /installation_directory/sunstudio9/man が $MANPATH に設定されている必要があります。)
J. 問題点と回避策
ここでは、これまでにわかっているソフトウェアの問題点とその回避策について説明します。最新情報については、開発者向けのポータルサイト、http://developers.sun.com/prodtech/cc/support_index.html をご覧ください。
- 外部ブラウザによって要求したリンクが起動または表示されないことがある
- 外部エディタ XEmacs、GVim を使用する場合、「新規ブレークポイント」ダイアログで、現在のファイルおよび行の情報が正しく表示されない場合がある
- スワップファイルが存在する場合、GVim が NetBeans の外部エディタ機能に対して応答しない
- 外部エディタ機能を使用して XEmacs および GVim を使用した場合、日本語や中国語等の複数バイト文字が含まれたファイルが正しく保存されない
- 日本語環境で外部エディタを使用した場合、ブレークポイントが誤った位置に表示される場合がある
- XEmacs ウィンドウで行った選択操作が解除されてしまう
- 実行可能ファイルのデバッグを開始したときに、FileStateInvalidException が発生する場合がある
- 最終行を削除すると外部エディタ文書が閉じる
- ~ 文字が GVim に変更要求を送らない
- GVim での cw コマンドによりファイルが破壊される
- 「出力」ウィンドウを閉じたり再度開いたりするとタブが表示されなくなる
外部ブラウザによって要求したリンクが起動または表示されないことがある
「ヘルプ」メニューから「コンパイラ/ツールのドキュメント」を選択、あるいは開始画面で「開発者ポータル」のリンクをクリックしても、IDE が外部ブラウザを正しく起動しなかったり、あるいはすでに実行中の外部ブラウザを使用してマニュアル索引や開発者ポータルを表示しなかったりすることがあります。
回避策:
IDE の外で外部ブラウザを起動して、次の URL を使用してください。
- Solaris プラットフォーム版または Linuxプラットフォーム版の Sun Studio 9 製品のマニュアル索引ページの場合は、installation-directory/SUNWspro/docs/ja を使用します。このページに、すべてのマニュアルページと readme、マニュアルへのリンクが含まれています。
- Sun Studio 9 の開発者ポータルの場合は、http://developers.sun.com/prodtech/cc/index.html を使用します。このポータルサイトには、コード例や専門記事、ナレッジベース項目、マニュアルが掲載されています。
外部エディタ XEmacs、GVim を使用する場合、「新規ブレークポイント」ダイアログで、現在のファイルおよび行の情報が正しく表示されない場合がある (4981442)
「新規ブレークポイント」ダイアログが表示されたときに、ブレークポイントの種類として「ファイル名:行」が選ばれている場合には、エディタ内のカーソルの位置に従って、行番号が自動的に設定されますが、外部エディタを使用する場合には、行番号が設定されないことがあります。手動で行番号を入力してください。
回避策:
このダイアログを表示させるには 3 つの方法があります。デバッガーウィンドウのブレークポイント区画から表示させた場合、ほとんどのケースでファイル名と行番号が表示されません。外部エディタ上で Shift+Ctrl+F8 を押下した場合、ファイル名と行番号は正しく設定されます。デバッグメニューから表示させた場合には、直前まで使用していた IDE のウィンドウ上での入力内容やクリックした個所に依存します。
スワップファイルが存在する場合、GVim が IDE に対して応答しない (4801244)
vim のスワップファイルが存在する状態で、ソースファイルを GVim を使ってエクスプローラから開いた場合、GVim 上で E325 エラーが表示されます。"Hit ENTER or type command to continue" という表示も行われます。
上記のエラーは 2 つの問題を引き起します。はじめに、GVim のウィンドウを再表示させたときに、内容が再表示されないため空白のウィンドウになってしまいます。次に、GVim からの応答を IDE が受け取ることができなくなり、タイムアウトの後に接続が切れます。
タイムアウトする前に Enter キーを押下した場合 (タイムアウトは約 30 秒間です)、接続は正しく確立されます。
外部エディタ機能を使用して XEmacs および GVim を使用した場合、日本語や中国語等の複数バイト文字が含まれたファイルが正しく保存されない (4950716)
回避策:
複数バイト文字を使用しないでください。
日本語環境で外部エディタを使用した場合、ブレークポイントが誤った位置に表示される場合がある (4948883)
例えば 20 行目にブレークポイントを設定した場合、21 行目として表示されます。これは中国語環境でも発生します。
XEmacs ウィンドウで行った選択操作が解除されてしまう (4964962)
現在のところ、有効な回避策はありません。
実行可能ファイルのデバッグを開始したときに、FileStateInvalidException が発生する場合がある (4960929)
デバッガを開始したときにこの例外がスローされた場合には、ウィンドウ配置も崩れます。IDE を一旦終了させて、再度起動してください。
最終行を削除すると外部エディタ文書が閉じる (4985044)
GVim に表示されているファイルの最終行を削除すると、GVim と IDE の接続が停止します。接続が失われたという通知があります。
~ 文字が GVim に変更要求を送らない
ファイル内で変更されたすべての文字は、その文字が変更されたことを伝えるメッセージを GVim に送り返す必要があります。'~' 文字はメッセージを送りません。
GVim での cw コマンドによりファイルが破壊される
GVim でのファイルの編集中に cw コマンドを使用し、そのファイルを保存すると、ファイルが壊れることがあります。
「出力」ウィンドウを閉じたり再度開いたりするとタブが表示されなくなる
単一のデバッグセッションを実行中に「出力」ウィンドウを閉じ、続いて再度そのウィンドウを開くと、そのウィンドウには「出力」タブだけが表示されます。
回避策:
そのデバッグセッションを終了して新規のセッションを開くと、すべてのタブを持つ「出力」ウィンドウが表示されます。
K. 制限事項と互換性の問題
Sun Studio 9 IDE には次の制限があります。
- Linux プラットフォームでは、dbx デバッガの次の機能は利用できません。
- ss_attach (実行開始とともにプログラムを捕捉)
- コアファイルのデバッグ
- 修正継続
- Java のデバッグ
- dbx collector コマンドまたは「コレクタ」ダイアログによるパフォーマンスデータの収集 (ただし、collect コマンドまたはパフォーマンスアナライザの「コレクタ」ウィンドウによるパフォーマンスデータの収集は可能です)
- 実行時検査
- 例外ブレークポイント
- フォルトブレークポイント
- システムコールブレークポイント
- プロセスイベントブレークポイント (「新規ブレークポイント」ダイアログボックスでプロセスイベントブレークポイントを設定することはできません。「出力」ウィンドウの「デバッガコンソール」タブを使い、dbx コマンド行から exit、next、step、stop、gone、および syncrtld イベントにブレークポイントを設定できます。)
- デバッガイベントブレークポイント (「新規ブレークポイント」ダイアログボックスでデバッガイベントブレークポイントを設定することはできません。「出力」ウィンドウの「デバッガコンソール」タブを使い、dbx コマンド行から attach および detach イベントにブレークポイントを設定できます。)
- g++ コンパイラでコンパイルされているプログラムの場合、C++ 式に関する実行時型情報は得られません。
- Linux プラットフォームでのマルチスレッドプログラムのデバッグに関する制限事項については、dbx の Readme ファイルを参照してください。
- Solaris OS x86 プラットフォーム版では、実行時検査のメモリーアクセス検査機能は利用できません。
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